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築40年マンション(仙台市青葉区)
物件はさすがに内外ともに痛みが激しく、また設備も建設当時のもの。一部を改装したところで、また隣の場所で不具合発生。そうした配管、電線がそのまま破損した状態で放置されていました。
4つの和室に納戸とLDですから、間仕切りが多すぎてせっかくの太陽の光が全室に入ってきません。
おまけに昔の建物ですので、部屋を横切る大きな梁が圧迫感を与えます。壁を低くし造作したり、ゆるやかにカーブで間仕切ったところで、この閉塞感はなかなか改善しないと思われ、115m²のマンションを1LDKにリノベーションしました。LDK36.9帖、洋室15.5帖のゆったりと大胆な間取りです。
ただの広い空間ですと、家具を置かない限り、ダンススタジオや事務所のようにガランとした寒々しい空間になってしまいます。
そこで2部屋の和室だった場所に毛足の長いカーペットを貼り、ゆったりと横たわることができる空間にしました。
床は遮音材を敷き詰めた上に天然木を積層したフローリングを張り、足触りを良くし、クリア塗料を塗って柔らかく仕上げました。
もし部屋を区切りたくなったら、本棚やローチェストで区切ればいいのです。明かりがほしくなったら、ライティングレールから照明コードを引っ張ればいいのです。
住み手が生活の仕方を考えて、大きな空間を様々な形に変えていく。人数、好みに合わせて間取りを変えることができる。そんな好奇心をくすぐる部屋に仕上がりました。