WORKS

築31年マンション(仙台市青葉区)

Before

仙台の多くのイベントの舞台になる定禅寺通り近くに立地し、東北一の歓楽街国分町まで歩いて1分のワンルームマンション。
元々賃貸物件でしたが、設備や内装もかなり古めかしく、せっかくの好立地でありながら家賃4万円でしか借り手がつかない状況でした。

今、最も敬遠される設備、3点ユニット(トイレ、洗面、浴室が1つにまとまったもの)に加え、キッチンは何と収納扉の中!
床はカーペット敷きで、壁は前入居者のたばこの臭いがしっかりと残る黄ばんだクロス。「あーもったいないなぁー」それが第一印象でした。

After

完成:洋室:天井は黒いクロスを貼り、あえて天井を低く見せる。間接照明と無垢フローリングの仕上げでカフェ風に。

今回のリノベーションの目的は、価値の下がってしまった部屋の価値を上げることです。それは、家賃が下がり続ける物件を、家賃が上がっても借り手がつく物件に変化させることです。設備も30年ものですから、ほぼ一新する必要があります。給排水管も専有部分はすべて交換する必要があります。
かなりの工事費用にはなりますが、10年後の劣化を考えると、内装と同時に今やったほうが効果が高いと考えられます。

街中にあるワンルームは、どこもかしこも申し訳程度のミニキッチンが備えられているだけです。であれば、この部屋も同様に、料理を重要視する必要はないと思いました。それよりも、ゆとりがあってリラックスできる水回りにし、友人を呼んでカフェのように楽しめる空間にしたいと考えました。

部屋全体を明るくするシーリング照明は取り外しました。ライティングレールを天井に長く1本取りつけ、好きなところにペンダント照明とスポットライトを設置します。足りない光は、スタンド照明やフロア照明を使って明かりを分散させます。床はやはりマンションなので、遮音材を敷き詰めた上に天然木を積層したフローリングを張り、自然塗料を塗ってナチュラルに仕上げました。

スイッチはアメリカからの輸入スイッチを使用し、コンセントは国産のステンレスプレートで統一。デザインは異なっても、双方のシンプルさがマッチして違和感のない仕上がりになりました。

扉は既存のものを使用し、レバーハンドルをマッドブラックレバーに交換。扉面をエイジング塗装することでヴィンテージ扉に。
ありきたりのクロスだけではなく、色分けしたり、目新しい柄物を貼ることで見栄えがぐっと変わってきます。洗面所にはどう見ても石にしか見えない、ポスターのようなビニールクロスを貼りました。

この部屋は設備、床さえいじらなければ、借り手が内装を自由に変えられます。
クロスを貼り替えても、珪藻土を塗っても、塗装をしても、棚を作るのも自由です。賃貸だからと遠慮することなく、自分好みにDIYができ、空間を作り上げる楽しみがあります。

Before

施工前:図面
施工前:廊下
施工前:キッチン
施工前:脱衣室
施工前:浴室
施工前:洋室

After